【Part2 生命体の特徴】 酸素博士岩垣コラム
我々の生命体は60兆といわれる細胞集団で、毎日およそ1兆近い細胞集団の細胞再生と細胞死を繰り返しています。この点が物質と生命体との基本的な違いで、生命体では常に現在のみが存在し、本来は加齢現象にみられるような時間的変化は極めて少ないはずです。しかし、理解を進める上では、時間を加えることで分かりやすく新たな解釈に発展できるという得策があり、年齢や性別、体重、身長などを基準としています。心筋の細胞や脳の神経細胞を除けば、全ての細胞集団は常に細胞の死と誕生が繰り返され、今現在が常に存在していることになり、加齢現象ではありません。
細胞死と細胞再生を調整しているのは酸素です。それぞれに原因があるのではなく、酸素が少なくなることで細胞死が多くなり、酸素が高まることで細胞再生がおきます。
例を挙げれば、手や足などをギブスで固定すると、固定された筋群では血流が減少し、酸素供給が不十分になり、筋群の委縮が起きます。逆に老人でも筋力トレーニングで毛細血管が増加し、筋肥大が起きます。いずれも酸素供給の良否で決まるのです。